
院長:星野お気軽にご相談ください!
出産を終えて、やっと赤ちゃんとの新しい生活が始まったと思ったら、産後1ヶ月検診で医師から「子宮が下がっていますね」と言われて不安になっていませんか?尿漏れや下腹部の違和感を感じて、このまま子宮が出てきてしまうのではないかと心配される方も少なくありません。


産後の体の変化は誰にでも起こりうることですが、適切なケアをすることで改善できる可能性があります。今回は産後の骨盤トラブルの中でも特に心配される子宮脱について、骨盤底筋を鍛える体操の効果や正しい方法についてお話ししていきますね。


産後の骨盤底筋のケアは本当に大切です。一人で不安を抱え込まず、正しい知識を身につけていきましょう
妊娠中は赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなり、骨盤底筋という骨盤の底を支える筋肉群に大きな負担がかかり続けます。出産時には骨盤が開き、赤ちゃんが産道を通る際に骨盤底筋が大きく引き伸ばされることで、筋肉や靭帯にダメージを受けてしまうのです。特に3500g以上の大きな赤ちゃんを出産した方や、分娩時間が長かった方は骨盤底筋へのダメージが大きくなる傾向にあります。
産後の体は授乳ホルモンの影響で靭帯が緩んだ状態が続くため、骨盤底筋の回復にも時間がかかります。この状態で重いものを持ったり、無理な姿勢で育児を続けたりすると、弱くなった骨盤底筋ではお腹の臓器を支えきれず、子宮や膀胱が下がってきてしまうことがあるのです。産後3ヶ月から6ヶ月頃までは骨盤底筋のダメージが残りやすい時期なので、この時期の過ごし方がとても重要になります。
骨盤底筋は骨盤の底をハンモックのように支えている筋肉群の総称で、膀胱や子宮、直腸といったお腹の臓器を下から支える大切な役割を担っています。この筋肉は尿道や膣、肛門を囲むように配置されていて、排尿や排便のコントロールにも深く関わっているのです。普段は意識することが少ない筋肉ですが、くしゃみをした時や重いものを持つ時に無意識に力が入り、臓器が下がらないように守ってくれています。
骨盤底筋が正常に機能していれば、お腹に圧力がかかっても臓器をしっかりと支えることができますが、産後にこの筋肉が弱ってしまうと支える力が低下してしまいます。咳やくしゃみで尿が漏れたり、夕方になると下腹部が重く感じたり、膣の入り口に何か触れる感覚があったりするのは、骨盤底筋の機能低下のサインかもしれません。
骨盤底筋トレーニングは産後の子宮脱予防と改善に非常に効果的だと多くの研究で報告されています。骨盤底筋を正しく鍛えることで、弱くなった筋肉の機能を回復させ、臓器を支える力を取り戻すことができるのです。特に産後3ヶ月から6ヶ月の時期は骨盤底筋の回復に最適な時期で、この時期にしっかりとトレーニングを行うことで、将来的な子宮脱のリスクを大幅に減らすことができます。
ただし、体操を始めるタイミングには注意が必要です。産後すぐは会陰切開の傷が治っていなかったり、悪露が続いていたりするため、無理に体操を始めると回復を遅らせてしまう可能性があります。一般的には産後6週間の産褥期が終わり、1ヶ月検診で医師の許可が出てから始めるのが安全です。痛みが強い場合や出血が続いている場合は、必ず医師に相談してから始めるようにしてくださいね。
骨盤底筋トレーニングの効果を実感できるまでには、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度の継続が必要だと言われています。筋肉を鍛えるトレーニングは即効性があるものではなく、地道に続けることで少しずつ筋力が回復していくのです。最初の1ヶ月は正しい動かし方を習得する期間と考え、焦らずに取り組むことが大切です。
毎日コツコツと続けることで、2ヶ月目頃から尿漏れの回数が減ってきたり、下腹部の重い感じが軽減してきたりと、少しずつ変化を感じられるようになってきます。3ヶ月を過ぎる頃には骨盤底筋の筋力がしっかりと回復し、日常生活での不安が大きく減ってくることが期待できます。ただし、効果の出方には個人差がありますので、自分のペースで続けていくことが何より重要です。
骨盤底筋体操で最も大切なのは、正しく骨盤底筋を動かせているかどうかという点です。YouTubeやインターネットで「骨盤底筋トレーニング」と検索すると、お尻を持ち上げる運動や派手な動きの体操がたくさん出てきますが、実は骨盤底筋を鍛える動きは非常に地味で、外から見てもほとんど分からないものなのです。大切なのは骨盤底筋だけを意識的に動かすことで、お尻やお腹の筋肉に力を入れてしまうと効果が半減してしまいます。
基本的な動きとしては、仰向けに寝て膝を立てた姿勢で、膣と肛門を体の中に引き込むようなイメージで力を入れていきます。この時、尿を途中で止めるような感覚や、おならを我慢するような感覚を意識すると分かりやすいかもしれません。5秒から10秒かけてゆっくりと力を入れていき、同じくらいの時間をかけてゆっくりと力を抜いていくのが基本です。
骨盤底筋体操で多くの方が間違えやすいのが、お腹やお尻の筋肉に力を入れすぎてしまうことです。骨盤底筋だけに力を入れるのは難しく、無意識にお腹に力が入ったり、お尻を締めてしまったりすることがよくあります。正しく骨盤底筋を動かせているかを確認するには、お腹に手を当てて、お腹が硬くならないか確認しながら行うと良いでしょう。
また、呼吸を止めてしまうのもよくある間違いです。力を入れる時に息を止めてしまうと、かえってお腹に圧力がかかってしまい、骨盤底筋に負担をかけることになります。力を入れる時も抜く時も、自然な呼吸を続けることを意識してください。息を吐きながら力を入れていくと、余計な力が入りにくくなりますよ。
骨盤底筋体操を頑張っていても、日常生活で骨盤底筋に負担をかける動作を繰り返していては効果が出にくくなってしまいます。重い荷物を持つ時や、赤ちゃんを抱き上げる時は、膝を曲げてしゃがんでから持ち上げるようにすると骨盤底筋への負担を減らせます。咳やくしゃみをする時も、骨盤底筋に意識を向けて少し力を入れておくと尿漏れの予防になります。
便秘でいきむのも骨盤底筋に大きな負担をかけてしまいますので、水分をしっかり摂り、食物繊維の多い食事を心がけることも大切です。授乳中は水分が不足しがちになりますので、意識的に水分補給をするようにしましょう。長時間の立ち仕事や、片側だけで抱っこを続けるのも骨盤に負担がかかりますので、できるだけ避けるようにしてくださいね。
骨盤底筋体操を続けているのに効果が感じられない、正しく動かせているか分からない、症状が改善しないという場合は、専門家に相談することをおすすめします。骨盤底筋の動きは自分では確認しにくく、間違った方法で続けていても効果が出ないだけでなく、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあるのです。骨盤の歪みや筋肉のバランスの問題が根本にある場合は、骨盤底筋体操だけでは改善が難しいこともあります。
当院では産後の骨盤トラブルに対して、骨盤の構造的な問題と筋肉の機能低下の両方にアプローチする施術を行っています。姿勢分析や骨盤の可動域検査など、詳細な検査を通じて一人ひとりの状態に合わせた施術プランを提案し、骨盤底筋を正しく動かせるようになるための指導も丁寧に行っています。キッズスペースも完備していますので、お子さん連れでも安心してご来院いただけますよ。
産後の骨盤トラブルは、時間が経つほど症状が固定化してしまい、改善に時間がかかることが分かっています。適切なケアを受けないと、約20%の方が慢性的な症状を抱えることになるというデータもあります。育児で忙しい毎日だからこそ、早めに体のケアをして、痛みや不調に悩まされない体を取り戻すことが大切です。
産後3ヶ月から6ヶ月の時期は骨盤の回復に最も適した時期ですので、この時期を逃さずにケアを始めることをおすすめします。「もう少し様子を見てから」と先延ばしにしていると、育児の負担が増えるにつれて症状も悪化してしまうことがあります。一人で悩まず、まずはご相談くださいね。
産後の子宮脱や尿漏れの悩みは、周りの人にも相談しにくく、一人で抱え込んでしまいがちです。でも、決して珍しいことではありませんし、適切なケアをすることで改善できる可能性は十分にあります。骨盤底筋体操は効果的な方法ですが、正しい方法で続けることが何より大切です。
自分だけでは不安だと感じたら、遠慮せずに専門家に相談してください。あなたが赤ちゃんとの時間を心から楽しめるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。痛みや不調に悩む時間を少しでも減らして、笑顔で育児ができる体を一緒に取り戻していきましょう。

