
院長:星野お気軽にご相談ください!
突然、膝がぷっくり腫れていることに気づいたり、曲げると違和感があったり……そんな経験、ありませんか?「年齢のせいかな」「少し様子を見ればいいかな」と思いながら、気になって検索してここにたどり着いた方も多いかもしれません。この記事では、ひざの痛みに深く関わる「膝に水がたまる」状態について、原因から対処法まで丁寧にお伝えしていきます。


膝に水がたまるということは、関節の中で何かが起きているサインです。「大げさに考えすぎかも」と思う気持ちもわかりますが、そのまま放置していると症状が慢性化したり、日常生活への支障がどんどん広がる可能性があります。ぜひ最後まで読んでみてください。


「膝に水がたまる」という状態は、私の患者さんの中でもよく相談されるお悩みのひとつです。「病院で水を抜いてもらったけどまたたまってきた」「抜くとクセになると聞いて怖くて放置してた」という声をたくさん聞いてきました。正しく原因を知って、根本から向き合うことが大切だと感じています
膝の関節には、もともと「関節液」と呼ばれる液体が少量存在しています。この液体は軟骨への栄養補給や関節の動きをスムーズにするための潤滑油の役割を果たしており、正常な状態では数ミリリットル程度しかありません。しかし関節内で炎症が起きると、体がその炎症を鎮めようとしてこの液体を過剰に分泌し始めます。その結果、膝の関節包に液体が大量にたまった状態が「膝に水がたまる」という状態です。
見た目にもぷっくりと腫れあがり、曲げ伸ばしがしづらくなったり、重だるい感覚が続いたりします。腫れがひどくなると正座ができなくなることもあります。大切なのは、水がたまること自体が病気ではなく、水がたまるのは関節内で何らかのトラブルが起きているサインだということです。
「膝に水がたまる」という状態を引き起こす背景は、実にさまざまです。よく「年齢のせい」と一言で片づけられてしまうことがありますが、原因を正確に把握しないまま対処しても、根本的な解決にはなりません。当院でも、同じように膝に水がたまっていても、その背景にある原因は患者さんによって異なります。
50代以降の方、特に女性に多い原因のひとつが変形性膝関節症です。加齢によって膝の軟骨がすり減ることで骨同士が摩耗し、慢性的な炎症が起きやすくなります。その炎症反応の結果として、関節液が過剰に分泌されて水がたまります。最初は「動き始めにちょっと痛い」「階段が少し辛い」という軽い症状でも、放置すると軟骨のすり減りが進んで変形が固定化されてしまうこともあります。
スポーツ中の急な方向転換や着地の失敗、あるいは日常的な動作の繰り返しによって、膝の半月板や靭帯にダメージが蓄積することがあります。これらの組織が傷つくと強い炎症が起き、急激に水がたまることがあります。若い世代でも運動をしている方や立ち仕事の多い方に起こりやすく、「急に膝がぷっくりした」という訴えで来院される方の多くにこの原因が関係しています。
関節リウマチは免疫の異常によって関節の滑膜が炎症を起こす疾患で、膝に限らず複数の関節が腫れることが特徴です。両膝が同時に腫れたり、朝のこわばりが長く続いたりする場合には、この疾患が背景にある可能性も考えられます。膝の水がたまる原因は一種類ではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。だからこそ、正確な検査と個別の対応が重要になります。
O脚やX脚など骨格のバランスの問題、あるいは長年の立ち仕事や歩き方のクセが積み重なることで、膝の特定の部位に過度な負担がかかり続けることがあります。これも炎症を慢性化させる原因になります。「これといったケガをした覚えはないのに」という方でも、日常生活の動作パターンが知らず知らずのうちに膝を痛めていることは珍しくありません。
「膝の水を抜くとクセになると聞いたから、怖くてずっと放置していた」という方が非常に多くいらっしゃいます。これは昔から広く信じられている話ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
結論からお伝えすると、水を抜く行為そのものがクセを作るわけではありません。水を抜いてもたまりやすいのは、水を抜いた後も炎症の原因が解消されていないからです。原因が残ったままであれば、水を抜いても抜かなくても同じペースでたまり続けます。「水を抜く=クセになる」というのは誤解であり、必要な時に処置を受けることは適切な対応です。
ただし大切なのは、水を抜くだけで終わりにしないことです。なぜ水がたまったのか、その原因に対してきちんとアプローチしなければ、同じことを繰り返すことになります。処置と並行して根本原因への対処が必要です。
「少し様子を見よう」という気持ちはとてもよくわかります。でも、膝に水がたまっている状態を長く放置すると、次のような問題が起こりやすくなります。
最初は「階段がちょっとしんどい」程度だったものが、気づいたら「平地を歩くのもつらい」「夜中に痛みで目が覚める」という状態になってしまったという方も少なくありません。早めに向き合うほど、改善のスピードも早くなります。
「膝に水がたまったら何科に行けばいいの?」という疑問もよく聞かれます。まず医療機関に行く場合は整形外科が窓口になります。レントゲンやMRIで関節の状態を確認し、必要であれば水を抜く処置(関節穿刺)や注射、薬の処方が行われます。
病院での標準的な治療は以下のようになります。
| 治療法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 薬物療法 | 痛み止め・湿布・ヒアルロン酸注射など | 一時的な緩和であり、原因への根本対処ではない |
| 装具療法 | サポーター・足底板の使用 | 依存すると筋力低下を招く可能性がある |
| 運動療法 | 筋力強化・ストレッチによるリハビリ | 方法が合っていないと悪化する場合もある |
| 外科的治療 | 関節鏡視下手術・人工関節置換術など | 入院・リハビリが必要、人工関節は15〜20年で再手術の場合も |
薬や注射は痛みを和らげる効果はありますが、炎症を起こしている根本原因を解決するものではありません。外科的治療は最終手段として有効ですが、その前にできることはたくさんあります。
当院では、膝だけを局所的に見るのではなく、全身のバランスや姿勢、動作パターン、筋力のアンバランスといった観点から原因を探ります。膝に負担が集中している背景には、骨盤の歪みや股関節・足首の動きの制限が影響していることが非常に多いからです。姿勢写真による分析、関節可動域検査、整形外科的検査を組み合わせて原因を特定し、整体と鍼灸を組み合わせた施術でアプローチしていきます。
「病院でレントゲンを撮っても異常がないと言われた」「注射を続けているけど改善しない」という方が当院にも多く来院されますが、そういった方でも改善のきっかけが見つかることがあります。諦める前に、一度ご相談ください。
「何かできることはないか」と思っている方のために、日常生活でできる対処のポイントをお伝えします。ただしこれらはあくまで補助的なものであり、根本原因への対処とあわせて行うことが大切です。
膝が熱を持っていたり、動かすだけで強い痛みがある時期は、冷やすことが基本です。氷嚢やアイスパックをタオルで包んで患部にあて、15〜20分程度冷やします。この時期に無理に動かしたり温めたりすると炎症が強くなる場合がありますので注意してください。
腫れや熱感が落ち着いてきたら、膝まわりの筋肉を少しずつ動かすことが大切になります。膝への直接的な負担が少ない水中ウォーキングや自転車こぎ、プールでの歩行などは筋力維持に効果的です。また体重管理も重要で、体重が1kg減ると膝への負担は3〜5kg軽くなるといわれています。
和式トイレや深い椅子に座る際など、膝を深く曲げる動作はできるだけ避けましょう。長時間同じ姿勢を続けることも膝のこわばりにつながります。立ち仕事の多い方はクッション性のある靴底を選ぶことも負担軽減に役立ちます。
次のような状態が続いている場合は、できるだけ早めに専門家に相談することをおすすめします。
これらはいずれも、体が「もうそろそろ本格的にケアしてほしい」と伝えているサインです。「まだ大丈夫」と先延ばしにすればするほど、改善にかかる時間は長くなります。
私がこれまで多くの患者さんと向き合ってきて感じるのは、膝の水がたまる背景には、膝そのものの問題だけでなく、姿勢・歩き方・股関節や骨盤のバランスといった全身の状態が深く関わっているということです。学生時代にバレーボールやバドミントンで体を酷使し、さまざまなケガを経験してきた私自身、「局所だけを見ても根本は変わらない」ということを体で覚えました。
父が鍼灸師であったこともあり、幼い頃から「なぜ痛みが出るのか、どうすれば再発しないのか」を教えてもらいながら育ちました。その経験が今の私の施術の根本にあります。症状の原因をきちんと説明し、再発しないための知識をお伝えすること、それが私の大切にしていることです。
膝に水がたまることは、決して「年齢のせいだから仕方ない」と諦めるべきことではありません。正しく原因を見つけ、適切にアプローチすれば、多くの場合で日常生活の質を取り戻すことができます。一人で悩まず、どうぞいつでも気軽に相談しに来てください。あなたの体のことを、一緒に真剣に考えます。

