
院長:星野お気軽にご相談ください!
最近、朝起きたときや椅子から立ち上がるときに膝がなんとなく重い、または動かし始めだけ痛む…そんな経験はありませんか?「年のせいかな」とやり過ごしてしまいがちですが、それはひざの痛みの始まりを示している可能性があります。


変形性の膝の問題は、初期のうちに対処するかどうかで、その後の経過が大きく変わってきます。今日はそのサインを一緒に確認していきましょう。


僕自身、学生時代にいくつもの競技を掛け持ちして体を酷使してきた経験があります。故障するたびに鍼灸師の父に診てもらうなかで、「早く気づくことの大切さ」を体で覚えてきました。膝の違和感はほんの小さなサインから始まります。「たいしたことない」と後回しにしないで、ぜひこの記事を読んでみてください
変形性の膝関節症とは、膝の関節内にあるクッションの役割を果たす軟骨がすり減っていくことで、骨と骨が接触しやすくなり、炎症や痛みを引き起こす疾患です。加齢とともに発症リスクが上がりますが、若い年代であっても体重の負荷や姿勢の問題、筋力の低下によって発症することがあります。50歳以上の約40%が膝の痛みを経験しており、特に60代以降の女性に多く見られます。
この疾患の厄介なところは、初期の段階では「ちょっと気になる程度」の症状しか出ないため、なかなか本人が深刻に受け止めにくい点にあります。だからこそ、小さなサインを知っておくことがとても大切なのです。
「自分の膝の状態が初期にあたるのかどうか」を確かめたいという方のために、よく見られるサインを整理しました。すべてが当てはまる必要はありませんが、2つ以上心当たりがある場合は、注意が必要です。
朝起きてすぐや、長時間座っていたあとに立ち上がるとき、膝がこわばって最初の数歩だけ痛む。でも少し歩いていると楽になる。この「動き始めだけ痛む」というパターンは、膝関節症の非常に典型的なサインのひとつです。
「すぐに楽になるから大丈夫」と感じてしまいますが、これは関節の軟骨がすり減り始めているサインである可能性があります。このタイミングで気づけた方はとても早い段階にいると言えます。
平地を歩くぶんには問題ないのに、階段を下りるときだけ膝に痛みを感じる方は多いです。実は階段を下りる動作は、平地の歩行と比べて膝にかかる負荷が3〜4倍にもなると言われています。だからこそ、関節への負担が増す動作でだけ症状が出るのは、初期の特徴とも言えます。
見た目には大きな変化がなくても、膝まわりがなんとなくむくんでいる感じや、触ると少し温かいと感じることがあります。これは関節内で軽い炎症が起きているサインです。この状態が続くようであれば、放置することで炎症が慢性化していく可能性があります。
「以前はできていたのに、最近やりにくくなった」という変化が出ている場合、関節の可動域が徐々に狭まっているかもしれません。日本の生活習慣において正座は馴染み深い動作ですが、この「以前と比べてやりにくい」という変化こそが、膝からの最初のシグナルです。
動かすたびに膝から音が鳴るという方もいます。必ずしもすべてが問題というわけではありませんが、音とともに痛みや違和感がある場合、関節内の状態が変化していることを示すケースがあります。音だけなら様子見でよいこともありますが、痛みを伴う場合は要注意です。
「まだそれほど痛くないし、様子を見ていればそのうち良くなるだろう」と感じる方も多いと思います。ただ、膝関節の軟骨は一度すり減ると自然に回復することがほとんどありません。つまり、放置するほど状態は進行していく一方なのです。
初期であれば運動療法や姿勢の改善、適切なケアで進行を食い止めることができます。しかし中期・末期になるにつれて痛みは慢性化し、関節の変形も進んで、最終的には手術が選択肢に入ってくることもあります。「今ならまだ間に合う」という段階で動くことが、その後の生活の質を守る最善の手段です。
進行の段階によって症状は明確に変化していきます。以下の表を参考に、現在の自分の状態と照らし合わせてみてください。
| 段階 | 主な症状の特徴 | 日常生活への影響 |
|---|---|---|
| 初期 | 動き始めの痛み・こわばり・軽い腫れ感 | 少しの不便感はあるが、ほぼ普通に生活できる |
| 中期 | 歩行中の痛み・関節の腫れ・可動域の制限 | 長距離歩行や階段が困難に。日常動作に支障が出始める |
| 末期 | 安静時でも痛む・O脚の進行・膝の変形 | 歩行困難・正座やしゃがみ動作がほぼ不可能になる |
ここで大切なことをお伝えします。膝が痛むからといって、原因が膝だけにあるとは限りません。僕がこれまで多くの患者さんを診てきた経験から断言できるのは、膝の痛みには複数の要因が複雑に絡み合っているケースがほとんどだということです。
たとえば、骨盤の傾きや股関節のかたさが膝への負担を増やしていることがあります。また、足首の動きが悪いことで膝に余分な力がかかっていることもあります。さらに、長年の姿勢の癖や歩き方のクセが蓄積されて、膝だけに過剰な負担が集中している方も非常に多いです。
だからこそ、膝だけを見て「湿布を貼っておきましょう」という対処では根本的な解決にならないのです。体全体のバランスを見る視点が、膝のトラブルを改善するうえで欠かせません。
当院に来られる患者さんに多く見られる要因を挙げると、加齢による軟骨の摩耗や筋力の低下、O脚・X脚などの骨格の歪み、日常的な姿勢や動作の問題、過去の外傷・スポーツによるダメージの蓄積、体重による膝への慢性的な負荷、といったものがよく見られます。そして重要なのは、これらが単独ではなく組み合わさって問題を起こしているという点です。
「病院でレントゲンを撮ったけど骨には異常がないと言われた」という方が、当院には多く来院されます。しかしレントゲンで映るのは骨の状態だけです。筋肉のかたさ、関節の動きのクセ、姿勢のバランス、軟骨や靭帯の状態は、レントゲンだけでは判断できません。
「骨は大丈夫だから様子を見ましょう」と言われてそのまま放置した結果、症状が悪化してから来院される方も少なくありません。痛みがあるということは、体が何らかのSOSを出しているサインです。「異常なし」という診断は「放置してよい」という意味ではないことを、ぜひ覚えておいてください。
「じゃあ今の段階で何をすればいいの?」という方のために、日常でできることをお伝えします。これらはあくまで補助的なものであり、根本的な原因の特定は専門家に診てもらうことが大前提です。
膝関節を安定させているのは、太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉です。この筋肉が弱くなると、膝への負担が増します。椅子に座ったまま片足をゆっくり持ち上げて数秒キープする運動や、膝を傷めにくい水中ウォーキングなどが、膝に優しい筋力維持の方法として知られています。
体重が1kg増えると、歩行時に膝にかかる負荷は約3〜5kg増えると言われています。逆に言えば、体重を少し落とすだけで膝の負担を大きく減らせます。無理なダイエットではなく、食事の内容を少し見直す程度でも長期的には大きな効果につながります。
ズキズキと熱を持った痛みがある場合は冷やすのが基本です。一方、動き始めのこわばりや慢性的な鈍痛の場合は温めることで血流を改善し、筋肉のかたさをほぐすことができます。どちらの状態かよくわからない場合は、専門家に確認することをおすすめします。
日常の立ち方・歩き方のクセが膝の負担に大きく影響します。内股や外股、猫背、片側重心になる歩き方などは、膝への偏った負荷を生みやすい姿勢です。まずは自分の立ち姿や歩き方を鏡で確認してみることから始めてみましょう。
「どのくらい症状が出たら病院や治療院に行けばいいの?」という疑問を持つ方も多いです。結論から言うと、気になったらすぐに相談するのが正解です。「まだ大丈夫かな」と悩んでいる間にも、膝の状態は少しずつ変化しています。
特に、次のような場合は早めに専門家を受診することを強くおすすめします。動き始めの痛みが毎日のように続いている、階段の昇降で必ず痛みが出る、膝の腫れや熱感が数日以上続いている、夜間に膝が痛んで眠れないことがある、こういった状態が続いているなら、放置するよりも早く動くことが大切です。
当院では、膝の痛みを訴えて来院される方に対して、まず「なぜその膝に痛みが出ているのか」という原因の特定から始めます。姿勢の分析、関節の可動域検査、筋力のバランス確認など、多角的な検査を通じて、膝だけでなく全身のバランスを丁寧に確認します。
同じ膝の痛みでも、骨盤の歪みが原因の方もいれば、足首の動きが原因の方もいます。姿勢や歩き方が長年の習慣として固まってしまっている方もいます。だからこそ、ひとりひとりに合った原因を見つけ出すことが、当院がもっとも大切にしていることです。
国家資格を持つ院長が問診から施術まで一貫して担当しますので、担当者が変わるたびに説明をし直すような手間もありません。体の変化や症状の波を見逃さないよう、一貫性を持って対応することが、早期改善への近道だと考えています。
「1か月ほど前、膝の痛みがひどくて来院しました。先生の親切なアドバイスとお声かけのおかげで、いまではスムーズに歩行もできています」というお声や、「膝や腰の痛みがでてきたときにこちらに通わせていただきました。すぐに膝の痛みもなくなり、体も楽になり育児も楽しんですることができています」というご報告をいただいています。
また、「右膝が痛かったのが、すっかり痛みがなくなり、朝、腰も痛くて起きるのが苦痛だったのが、難なく起き上がれるようになった」と喜んでいただいた方もいらっしゃいます。このように、膝の症状は適切なアプローチをすることで、日常生活を取り戻せるほどに改善できます。
幼い頃から体の不調と向き合いながら育ってきた僕だからこそ、「早く気づいて、早く動いてほしい」という気持ちは人一倍強いです。川崎病を経験し、ドクターストップを受けながらも体を動かすことへの情熱を持ち続け、最終的に治療家の道を選んだのは、「体のことを正しく知ることで、諦めなくていいことがある」と信じているからです。
膝の違和感は、体があなたに送っているメッセージです。「まだ大丈夫」ではなく「早めに確かめよう」という選択が、その後の生活の質を大きく左右します。一人で悩まず、気になることがあればいつでも気軽に相談してください。あなたの体のことを、一緒に真剣に考えます。

